推しに似てきてる、は本当だった。『憧れ』が人をつくる科学的な理由〔0030〕

「最近、あの子の話し方ってなんか〇〇さんに似てきたよね」

友達にそう言われて、ドキッとしたことはありませんか?
あるいは、気がついたら憧れの先輩と同じブランドのノートを使っていたり、好きなYouTuberと同じ言い回しをしていたり。

「親しい人に似てくる」とはよく言いますが、実はそれだけじゃない。
憧れている人にも、じわじわと似てくる。

これ、気のせいではありません。

人は無意識に、憧れの人へ近づいていく

結論から言いましょう。

人は、自分が強く憧れている人に、気づかないうちに似てきます。話し方、考え方、行動パターン、さらには将来の選択まで。憧れはただの「好き」という感情じゃなくて、自分自身を変えていく強力な装置なんです。

📌 この記事のポイント

「誰に憧れるか」は、あなたが思っている以上に、あなたの未来を形づくっています。だから、憧れの対象は意識して選んでほしい。その理由を、順番に説明していきます。

なぜ似てくるのか? 3つの理由

1視界に入る回数が増えると、価値観が変わる

人は、繰り返し目にするものを「当たり前」「良いもの」として受け入れていきます。憧れの人のSNSを毎日見たり、動画を何度も見返したりしているうちに、その人の美意識や考え方が自分の中にしみこんでいく。心理学では「単純接触効果」とも呼ばれる現象で、これはすべての人に起きます。

2無意識の模倣が始まる

人間には、好きな人・尊敬する人の行動を自然にまねてしまう性質があります。話し方、姿勢、服のセンス、勉強の仕方……本人は気づいていないことがほとんどです。「なんとなくこうしたい」という感覚の正体は、多くの場合、誰かからの影響です。

3判断の基準が移っていく

憧れが深くなると、何かを決めるときに「あの人ならどうするだろう?」と考えるようになります。「先輩だったらこのくらいで妥協しないよな」「あの人なら朝も早起きして練習するはずだ」。気づけば、憧れの人の基準が、自分の基準になっていくんです。

憧れが未来をつくる

実際にあった話

中学2年生のAさんは、バスケ部の3年生の先輩にあこがれていました。その先輩はいつも練習の後に自主練をして、試合でも冷静にチームを引っ張るような存在。Aさんは特に意識していたわけじゃないけど、気がつけば自分も居残り練習をするようになっていました。

1年後、顧問の先生にこう言われたそうです。「お前、あの先輩に似てきたな」と。Aさん自身はびっくりしたけど、思い返すと、迷ったときはいつも「先輩ならどうするか」を考えていたことに気づきました。

憧れが、行動を変えていた。そして行動が積み重なって、人そのものが変わっていたんです。

ちょっと怖い話もします

ここで少し立ち止まって考えてほしいことがあります。

「憧れの人に似ていく」というのは、プラスにも、マイナスにも働きます。

たとえば、「いつもギリギリでなんとかする人」に囲まれていたら、それが当たり前になってくる。「勉強なんてしなくていい」という空気の中にずっといたら、「まあいいか」が口ぐせになってくる。これも同じしくみです。

誰に影響を受けるかで、数年後の自分は大きく変わります。これは脅しじゃなくて、本当の話です。

あなたは、誰に影響されていますか?

今のあなたが「かっこいい」「なりたい」と思っている人は、誰ですか?

その人の考え方、生き方、日々の行動——あなたはそこに近づいていっています。
SNSでよく見るアカウントは? よく一緒にいる友達は? 尊敬している大人は?

「自分は自分」と思っていても、私たちは想像以上に周りから影響を受けています。
それは弱さじゃなくて、人間の自然な性質です。

まとめ:憧れは、選べる

「誰かに似ていく」のが人間の本質なら、せめて意識して「誰に似ていくか」を選んでほしい。

ロールモデルを意識して持つこと。本で素晴らしい人物の考え方に触れること。尊敬できる大人の近くにいること。それだけで、あなたの数年後はまったく変わってきます。

憧れはタダです。でも、その影響力はとてつもなく大きい。

「誰を見て育つか」が、「どんな自分になるか」を決める。

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